左利きの融心さん

御先祖様を探し始めた若僧です

家系図作成記その⑧(失踪した祖父)

私は、祖父と同居していたと言うその女性と話をしたいと思いました。

なぜ私がここまで祖父の事を調べようと思ったのか、それには理由があります。

まず、祖母も家を出てからの祖父の事を知らない為、私は今回見つけた書面での祖父しか知らない。それは悲しい事で、祖父の人間性を疑うようなもので、そんな現実を簡単に受け入れられなかったのです。

また私と亡き父親は、写真に映る祖父によく似た姿をしています。祖母もそれを認めています。この世でこんなにも似た人はいません。どんな人なのか知りたいものです。私の短所や長所も少なからず似ているであろうし、ピンチな時にはどのように切り抜けていく人だったのかを知り、私が生きていく上での参考にしたいと思いました。

そこでまずは、祖父と最後に過ごしたであろう祖父と同居していたと言う女性に連絡を取ることにしました。年齢的には祖母より少し下の人なのでもしかしたら亡くなってるかもしれないと思いつつ、電話番号を見つけて連絡をしました。その人も祖母と同じで祖父以上に愛せる人が現れなかったのか、結婚をしていませんでした。その為、安易に電話番号を見つけることができました。

 

しかし、繋がりませんでした。コロナ禍で県外へ移動する事ができない為、その女性の近隣の人へ電話をかけてみました。すると、「もう何年か前から居ないよ」と。

 

終わった。消息不明だ…。

 

が、しかし。私の職業はお寺の修行僧。私は、祖母が言っていた、祖父は"違う宗教に入っていた"と言う言葉を思い出しました。

 

そして私は、やっとのことでその宗教団体を見つけ出し、電話をかけたのでした。

 

ここまでに2ヶ月弱の時間がかかりました。

番外編

今週のお題「わたしのプレイリスト」

 

私はまだ20代ですが、新しい歌も少しは聴きますが、基本古い歌ばかり聴いています(笑)

B'zは好きなので新しいのも聴きますけどね。ボカロも高校生の頃は聴いてましたが、もう全然。たまーに、極たまーに、ヨルシカやRADWIMPSポルノグラフィティを聴きます。

あとは、ディズニーや宝塚歌劇団も聴きます。

寝るときは、リラックス音楽を聴きます笑

 

よく聴くプレイリストは以下になります↓

谷村新司「far away」

谷村新司「英雄」

谷村新司三都物語

松任谷由実「ダイアモンドダストが消えぬまに」

J-Walk「何も言えなくて」

サザンオールスターズ真夏の果実

服部浩子「さくらさくら」

太田裕美木綿のハンカチーフ

Celine Dion「My Heart Will Go On」

プリンセスプリンセス「世界でいちばん熱い夏」

DREAMS COME TRUE琥珀の月」

海援隊「思えば遠くへ来たもんだ」

中山美穂&WANDS世界中の誰よりきっと

ザ•ダーツ「ケメコの歌」

サンボマスター「できっこないをやらなくちゃ」

ゴダイゴ「The Galaxy Express 999」

大塚愛「ユメクイ」

松田聖子裸足の季節

藤澤ノリマサ「Farfalla」

松浦亜弥「Yeah!めっちゃホリデイ」

平松愛理部屋とYシャツと私

藤山一郎「東京ラプソディ」

コブクロ「Blue Bird」

L'Arc〜en〜Ciel「Still I'm With You」

LUNA SEA「Rosier」

倉木麻衣Secret of my heart

岡幸二郎オペラ座の怪人

森山良子「恋はみずいろ」

水曜日のカンパネラ「桃太郎」

一青窈ハナミズキ

ヴィレッジ•シンガーズ「亜麻色の髪の乙女

アンジェラ•アキ「手紙〜拝啓十五の君へ〜」

ジョー•ダッサン「オー•シャンゼリゼ

 

 

こんな感じです(^_^;)

 

家系図作成記その⑦(失踪した祖父)

話は現在に戻り、私が取り寄せた除籍謄本にはH家の全てが載っていました。そこには、私の祖母であるM子が驚くような事が載っていました。

まず、T彦は初婚ではありませんでした。実はM子と結婚する1年前に、別の女性と離婚していました。その女性との間には子供もいましたが、生まれてすぐに亡くなっていました。子供が亡くなってすぐに離婚し、1年後にはM子と結婚…。ショックな話です。

また、T彦は実は長男ではありませんでした。四男でした。さらには、M子の義父、T彦の父親は婿養子でH家に入っており妻の死後に、家政婦さんと結婚していたのでした。つまり、毎日食事や掃除や洗濯をしてくれていたあの家政婦さんは、M子から見てお姑さんに当たる方でした!それも籍を入れたのはM子とT彦の結婚とほぼ同時期でしたので、いわば新婚のはず。

 

私と祖母は、親族一同でこれを隠していたのか!?と、心から驚愕したのでした…。

 

祖母は言いました。

「T彦さん、あいつ、ほんと嘘つきだわ。でも、しょうがないわ。一度でも私が好きになってしまった人なんだから。私、あの人の事が本気で好きだったのよ。もう80歳を越えたけど、未だにあの人以上に好きになる人が現れないのはそう言う事よ。」と、私が思っていたよりも怒っていませんでした。真剣な恋愛をまだ経験していない私には分からない世界なのかもしれません。

 

そして私は、家系図作成の次の段階へ進む前に、さらに祖父について調べてみたのでした…。

家系図作成記その⑥(失踪した祖父)

病に倒れたT彦はまだ50歳でしたが、自分がもうあと1年も持たないと自分で分かっていました。

M子と息子のhが見舞いに来た時には、ただただ泣き続けました。hはT彦の話などまともに聞かずにしかめ面をしていました。M子は、隣にいる別の女性とT彦に、「もう私はH家の籍などいりません。お返しします。」と言いましたが、T彦は断りました。「どうか、息子のために籍は抜かずに置いといてくれ。」と、泣きながら頼みました。別の女性や新しいT彦の政婦など、M子の知らない人達との空気に耐えきれず、M子は帰って来ました。籍は抜かずに置いたままにしましたが、どうもその空間にはいられませんでした。

 

その後、T彦は亡くなりました。M子とM子の母親が葬儀へ行きました。T彦は家を出てから違う宗教に入信したらしく、それまで見たことのない形式の葬儀が営まれていました。hは父親のT彦を恨んでいましたが、それでもM子は、T彦の事が忘れられませんでした。遺骨を持って帰ろうと思いました。するとM子の母は、「お前は、ちょうど良い具合に焼けてきた美味しそうな魚を猫に取られたら、骨だけ持って帰って来るのか?そんな情けない事するのか?」と、周りにも聞こえるように言い放ちました。M子は諦めて、遺骨を引き取らずに帰って来ました。

後日、せめてお墓参りはと懇願し、M子と母親はお墓参りへ行きました。しかしそこには、あったずのH家のお墓がありませんでした。近隣の人に尋ねた所、T彦と同居していた女性が県外へ持って帰って行ったとの事でした。

 

ここまでが、私の祖父の話になります。

祖父はその女性に金銭的な援助をしていたようで、別れるに別れられなくなってしまったようでした。未だにH家の性を名乗り続けていますが、H家の親族との交流はないのです。

家系図作成記その⑤(失踪した祖父)

T彦が失踪してしまい、どうしようも無くなったM子は、H家の義父が止めるまでもなく実家のY家へ帰りました。M子の両親は「ほら見ろ」と叱りましたが、それでもM子の息子、私の父のhの面倒を見てくれました。

それから何年か経ったある日、M子の母親はT彦の居場所を見つけました。県外で別の女性と暮らしていました。

しかし、T彦は自責の念もあったのか、こっそりと息子であるhの高校へ顔を出したり、自動車の免許を取ったと聞けば高級な外車を送って来たりしました。しかしhは、突然姿を消したT彦の事を恨んでいました。推薦をもらっていた大学の進学も、父親が高校へ来た事を知ると取り消し願いを出し、届いた高級な外車は2、3回だけ乗った後で破壊してしまいました。

M子は、まぁ仕方ないと諦めました。それからさらに何年後か、T彦と県外で同居していた女性から、T彦が病に倒れたとの連絡が来ました。

家系図作成記その④(失踪した祖父)

幸せな家庭を築いたM子は働く事が好きで、仕事をしながら子育てをしていました。もちろん、家政婦さんの様な方も居る家でしたので取りたって困る事はありませんでした。

そんなある日、T彦は「九州へ出張が入ったからバス停まで見送ってほしい。息子を抱いて2人で見送りに来てくれ。」と、M子に頼みました。この人は何を大袈裟な事を言ってるんだろうと笑いながらも、T彦がバスに乗る事自体が珍しいので見送りに行きました。T彦はバスの中から、姿が見えなくなるまで手を振り続けました。今生の別の如く、少し悲しそうな表情を浮かべて、M子とまだ幼い息子に手を振り続けました。

 

それっきりT彦はH家へ帰って来ませんでした。

家系図作成記その③(失踪した祖父)

時代は遡り、祖母と祖父の夫婦時代まで遡ります。

祖母のM子は、両親の反対を押し切り、祖父のT彦と結婚し、H家に入ります。祖母の家は、余りこの様な言い方をするのは好きではありませんが、代々良い家柄でした。

T彦は出どころがよく分かりませんでしたが、とても口の上手い気遣いの出来る紳士でした。M子はそんなT彦に惚れ込んでいきます。

「結婚できないのなら死ぬ!」なんて事まで考えるくらい、本気でT彦の事が大好きで結婚したいと思いました。結果M子の両親が折れ、2人は結ばれました。

H家の人々は快くM子を受け入れてくれました。T彦には弟が2人いるらしく、その子達も良い子で学生として過ごしていました。家政婦さんの様な方も居て、M子が朝起きる迄には一通りの食事の準備もできていて、とても楽な生活でした。

T彦には母親が居ないらしく、父親のYニさんが家長でしたが、この方もいい人でした。

M子は幸せな家庭へ嫁ぐ事ができ、そのうち息子も生まれ、幸せの絶頂へと登って行きました。