左利きの融心さん

御先祖様を探し始めた若僧です

家系図作成記その⑦(失踪した祖父)

話は現在に戻り、私が取り寄せた除籍謄本にはH家の全てが載っていました。そこには、私の祖母であるM子が驚くような事が載っていました。

まず、T彦は初婚ではありませんでした。実はM子と結婚する1年前に、別の女性と離婚していました。その女性との間には子供もいましたが、生まれてすぐに亡くなっていました。子供が亡くなってすぐに離婚し、1年後にはM子と結婚…。ショックな話です。

また、T彦は実は長男ではありませんでした。四男でした。さらには、M子の義父、T彦の父親は婿養子でH家に入っており妻の死後に、家政婦さんと結婚していたのでした。つまり、毎日食事や掃除や洗濯をしてくれていたあの家政婦さんは、M子から見てお姑さんに当たる方でした!それも籍を入れたのはM子とT彦の結婚とほぼ同時期でしたので、いわば新婚のはず。

 

私と祖母は、親族一同でこれを隠していたのか!?と、心から驚愕したのでした…。

 

祖母は言いました。

「T彦さん、あいつ、ほんと嘘つきだわ。でも、しょうがないわ。一度でも私が好きになってしまった人なんだから。私、あの人の事が本気で好きだったのよ。もう80歳を越えたけど、未だにあの人以上に好きになる人が現れないのはそう言う事よ。」と、私が思っていたよりも怒っていませんでした。真剣な恋愛をまだ経験していない私には分からない世界なのかもしれません。

 

そして私は、家系図作成の次の段階へ進む前に、さらに祖父について調べてみたのでした…。