家系図作成記その③(失踪した祖父)
時代は遡り、祖母と祖父の夫婦時代まで遡ります。
祖母のM子は、両親の反対を押し切り、祖父のT彦と結婚し、H家に入ります。祖母の家は、余りこの様な言い方をするのは好きではありませんが、代々良い家柄でした。
T彦は出どころがよく分かりませんでしたが、とても口の上手い気遣いの出来る紳士でした。M子はそんなT彦に惚れ込んでいきます。
「結婚できないのなら死ぬ!」なんて事まで考えるくらい、本気でT彦の事が大好きで結婚したいと思いました。結果M子の両親が折れ、2人は結ばれました。
H家の人々は快くM子を受け入れてくれました。T彦には弟が2人いるらしく、その子達も良い子で学生として過ごしていました。家政婦さんの様な方も居て、M子が朝起きる迄には一通りの食事の準備もできていて、とても楽な生活でした。
T彦には母親が居ないらしく、父親のYニさんが家長でしたが、この方もいい人でした。
M子は幸せな家庭へ嫁ぐ事ができ、そのうち息子も生まれ、幸せの絶頂へと登って行きました。