左利きの融心さん

御先祖様を探し始めた若僧です

家系図作成記その⑤(失踪した祖父)

T彦が失踪してしまい、どうしようも無くなったM子は、H家の義父が止めるまでもなく実家のY家へ帰りました。M子の両親は「ほら見ろ」と叱りましたが、それでもM子の息子、私の父のhの面倒を見てくれました。

それから何年か経ったある日、M子の母親はT彦の居場所を見つけました。県外で別の女性と暮らしていました。

しかし、T彦は自責の念もあったのか、こっそりと息子であるhの高校へ顔を出したり、自動車の免許を取ったと聞けば高級な外車を送って来たりしました。しかしhは、突然姿を消したT彦の事を恨んでいました。推薦をもらっていた大学の進学も、父親が高校へ来た事を知ると取り消し願いを出し、届いた高級な外車は2、3回だけ乗った後で破壊してしまいました。

M子は、まぁ仕方ないと諦めました。それからさらに何年後か、T彦と県外で同居していた女性から、T彦が病に倒れたとの連絡が来ました。